店主の井桁です⑨‐店主、半纏づくりから学ぶ‐

鹿児島本線羽犬塚(はいぬづか)駅北側、福岡県筑後市にある宮田織物を訪問。
北に久留米市、東に八女市、南に下れば熊本、という立地。
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着尺(約35㎝幅)の生地のみを『久留米絣』とする産地において、
消費者に手ごろな価格で着てもらう為に、敢えて広幅(150㎝)の絣の生地を自社で織り、
製品に仕立て販売まで手掛ける一貫生産の宮田織物は繊維業界では稀有な存在だ。
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広幅の絣生地を織るための試し織りの機械を持つ企業は九州には2社のみ。
生地のデザインの基礎となる製経(縦糸を整えること)の為の
専門職がいるのもめずらしい(しかも若い女性)。
織り機も自社で改良し、他社に無い広幅の絣生地を織りあげていく。
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袢纏作りの工程のなかで強く印象に残ったのが綿(わた)入れ。
裾で繋がった表生地と裏生地を平台に広げ、
裏返した表生地の上に薄く伸した綿を二人がかりでふわりと置く、
背中や裾、袖口にはもう一枚綿をおいて厚みをつける。ここからが手品としか思えない。
二人が息をあわせてくるりくるりと生地を返すと平たい布がふくふくの袢纏に。
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背を閉じるときに綿(わた)がずれないように一針をいれるが説明を受けなければわからない。
衿、脇と手で縫い閉じていく。縫い目は仕上がれば見えなくなるだろうに、
ミシンでも縫えるだろうに、と尋ねると、
見えないところにこそ手を掛ける、良いものとはそういうものだと。
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1日目の工場見学の時に、糸のかかっていない整経機をみて、使い方が想像できない、というと、
翌日担当の方が早朝から準備してくれて、何百本もの糸を掛けるところを実際に見せて下さった。
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気の遠くなるような作業で準備された縦糸がシャトル織機にかけられ、
横糸と交叉して細やかな表情の布が織り上がっていく。
反物になった生地は凹凸がありながら滑らか。この感触と表情は糸にも秘密がある、と。
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今日は晴天だから面白いものを見ることが出来ると、宮田織物の担当者に連れられ、
八女市の田園地帯に下川織物を訪ねた。久留米絣の織元である。
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機場(はたば)の向こうに広場がある。四角い広場の中央の対角線上にまだらな綱のようなものが張られている。
くくり染をした糸を天日で乾かしているのだ。端から端まで50メートルはある。
聞けば3往復、一本あたり300mあるという。太陽の光を浴びた糸が布になっていくのだ。
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店頭に並ぶ袢纏はどれもが丁寧に、作り手の皆が慈しむように仕上げたものだ。
見えないところにこそ手をかける、その着心地は格別である。
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